201?年、お正月
元旦2日って何かイベントあったっけ?とか考えてつらつら日記書いたら
Hな話になりまして(笑)。字数制限オーバーで別ページ作って収納・・・
明けて2日に、初詣の約束をしていたんだっけ。毎度世話好きな彼女が朝早くからおせちを持参し、雑煮まで作りに来てくれた。上品でまろやかな味わい。虹の園って、日本って、和風美人っていいよなぁ。ほのか・・・サンは和装もよく似合う。彼女のように着付けまで自分で出来る人はそういないと聞く。彼女の周りには優雅でまったりとした時間が流れていて、普段あくせくしている僕にはそんな風情がより愛しい。
ホッと温まる空気が流れ込み、先に済ませた彼女が皿を洗い始める、そんな穏やかなひと時。
だけど僕は、穏やかな気分どころかそんな彼女の結い上げた白いうなじ、色っぽい割烹着姿に・・・その。
「ねえ、初詣もいいけどさ、ほのか。・・・その、“秘め始め”って知ってる?」
(我ながら露骨過ぎか?)反応見たさにそわそわする僕の方を振り向かず、ややあって彼女が答える。
「有力な説は、正月の強飯(こわいい:蒸した固い飯。別名「おこわ」)から、初めて姫飯(ひめいい:柔らかい飯)を食べる日・・・だったかしら?
飛馬(ひめ)と書いて乗馬初めの日。火水(ひめ)と書いて火や水を初めて使う日。女伎と書いて 衣服を縫い始める日。姫糊と書いて女性が洗濯・張物を始める日。諸説あって結局何をする日だったのかよくわからないんでしたっけ?私もちゃんと・・・その、憶えてないけれど。“姫(ひめ)”と言えば百人一首だから、“坊主めくり”みたいなゲームも連想されたりしてね。そうそう私、普通の百人一首なら得意よ?全部言えるわ。」
藪をつついてヘビ、だ。そこまで知っててどうしてッ。しかも坊主、百人一首・・・って?“秘”というより“姫”、か・・・。
僕の拍子抜けに気づかず彼女は言葉を続ける。
「百人一首はおばあちゃまとのお正月恒例行事だもの。ねえ、キリヤ君『百人一首の暗号』って聞いたことある?撰者の藤原定家が後鳥羽上皇を想って配置したとされる(ウンチクうんぬんもう長いので中略)・・・突拍子もない発想だけれど、当世きっての詠人なら・・・ありうるかもしれないわ。言葉の隠れた意味を探るのってロマンチックで面白いわよねぇ♪
ねぇねぇ、そう思わない?キリヤ君?」
やっと彼女が振り向いたので箸を置き手を前に合わせ慇懃に答えた。
「・・・ご馳走様。もうおなかいっぱいです。」
「・・・もう!それで初詣はどうするの?行きたくないの?!」
彼女のスイッチが入って薀蓄タイムになってしまった。まあ、あんまりがっついてもよくないよな。体目当てで好きになったわけじゃないんだし我慢くらいできる。でもな・・・ぁ。正月にかこつけてホンのちょっとくらい。コタツに潜りなおして引っ張り込む作戦も脳裏をよぎり、寝転がってみたらばそれがかえって彼女の癇に障ったらしい。
手際よく片付けも済ませ「行かないなら一人で行くわ。」と出ようとする。彼女をあわてて引き止めキスでごまかそうとすると軽く顔をそむけられ、手で押し返された。どうしてだ?途端に不安になった。
「・・・嫌に、なった?僕のこと。」
「・・・。そうじゃ、ないけど。」
「じゃ、どうして?」
「本当は・・・わかってるわ。あの言葉の・・・意味。」
彼女が小さくつぶやく。
「・・・ああ。ヒメハジメか。」
苦笑するしかないか。
「やっ最低!・・・ストレート過ぎて・・・困るわッ。」
彼女が本気で怒って顔を赤らめる。
「・・・ゴメン。でもじゃあ、どう言えばいいの?教えてよ。わからないんだよ。」
露骨過ぎて悪かったとは思ってる。
「私だって何て言ったらいいかわからないけれど・・・ホラ、さっき言った昔の人みたいに・・・もーっと言葉を隠して遠まわしに・・・。」
「既に隠語じゃないか。これ以上無理だよ。直球しか出てこない。・・・でもお願いだから帰らないで。あんまりきれいだからついしたくなったんだよ。愛してる、だから許して、お願いです。ほのかさん。ほのか・・・。」
今度は振りほどかれぬよう強く抱き、むぎゅと甘えた仕草をしてみる。彼女の顔を下から覗き込んでみたり。
「・・・もう!」
でも、そう言って顔をあげた彼女ももう怒ってない。口付けを繰り返しながら、僕はスキを探し手を差し入れ・・・!ん、新鮮な感触・・・?!
(ブラが無ッ・・・下はある・・・けど、新しい下着ッ?!結構エロ・・・いや・・・あー・・・)
なんだよ結局・・・と感じつつソコは指摘しないで素直に心の奥底で喜んでおくのが彼女好みの雅(みやび)な心得か・・・そう思っても彼女の反応があまりに色っぽいので、上品とは程遠い攻撃の手は休まらない。エスカレートしてもつれるようにベッドにたどり着いた途端、目覚ましに気づいた彼女が先に正気にかえってしまった。
「大変!もうすぐ11時!お参りは午前のうちにするものなのよ。着物イチから直したりしてたらホントに時間無くなっちゃう!」
「・・・残念。じゃあ帰ってから、ですか。ヒメハジメは。」
「もう!やだ!ばか!えっち!ヘンタイ!!!知らないから!!!」
新年そうそうひどい言われよう。でも散々罵倒されながらにやける僕は確かにマゾなヘンタイなのかも、しれないな・・・。
よろしければご感想なぞ・・・